お盆について
お盆とは、私たちのご先祖様の霊をお迎えして、僧侶に読経をしてもらって供養を行うことです。つまり、私たちにとっての先祖供養となります。
このお盆の時期は、地域によって違いがあり、7月15日をお盆とするところもあれば、8月15日前後をお盆の期間とするところもあります。
お盆の入りの13日には、家の門口や墓前で火を焚いて、先祖の霊を迎えます。そうすると、14日、15日には、先祖の霊は家に留まると言われます。そして、お盆が終わった16日には、家を去る先祖の霊を、送る火を焚きます。こうした、迎え火と送り火は、先祖の霊のために、道を明るくする意味があります。
お盆とは、もともとはインドの言語であったサンスクリット語の「ウランバーナ」という言葉に起源があります。それは、逆さ吊りのような、地獄の苦しみを表します。
なぜ、先祖供養を行うお盆が、地獄の苦しみに関係があるのでしょうか?それは、お釈迦さまに関係がある話となります。
その昔、お釈迦様の弟子に、目連(もくれん)という人がいました。目連は、神通力第一と言われるほどに、優れた神通力を持った人でした。
あるとき、目連は、すでに亡くなっていた自分の母親が、今頃はどうしているだろうか、と神通力を使って冥界を見てみることにしました。
すると、一体どうしたことでしょう!驚いたことに、母親は、骨と皮ばかりの哀れな姿をしていました。母親は餓鬼道の世界に堕ちていて、食べ物を食べることが出来ずに苦しんでいました。目の前の食べ物を、食べようと手を伸ばすと、食べ物はす火となって燃えてしまい、口に入れることが出来ませんでした。
食べようとも食べれない、飢えと渇きの苦しみは、想像を絶するものでした。しかし、なぜ自分の母親が?自分の母親は、いつも優しく、笑顔の絶やさない人だったのに・・・
悩んだ末に、どうしたら母親を救うことが出来るのかと、目連はお釈迦様に相談をしました。
すると、お釈迦様は言いました。「あなたの母は、生前に犯した罪によって、飢えの苦しみを受けているのです。これは、あなた一人の力では救うことは出来ません。しかし、多くの僧侶の功徳によってならば、救うことができるでしょう。だから、7月15日という時が、多くの僧侶が3か月の仏道修行を終える最終日となります。ですから、この日に、多くの僧侶たちへ、清浄の座を設けて、山海の美味、五果・百味の飲食を盆に盛って、供養をしなさい」
こうして、目連がお釈迦さまの教え通りに、多くの僧侶たちへ食の供養を行い、僧侶たちは目連の母親のために祈ると、この功徳によって、母親は餓鬼の苦しみから救われました。
お釈迦様が言われたことは、人は誰でも苦しみからは逃れられないこと、人である以上、どんなに良い人であっても罪や過ちを犯すことがあること、亡くなった人を救うためには生きている私たちが一生懸命に祈ること、等です。
このお盆の供養とは、大きな功徳のあるものです。自分の家の先祖代々の7代までを、苦しみから救うと言われるほどのものです。
私たちが、今、こうしてあるのは、ご先祖様のお陰です。顔が分からずとも、姿が分からずとも、過去から現在までには、一生懸命に生きて命を繋いでくださったご先祖様たちがいました。
お盆には、私たちのご先祖様方へ、感謝の念を込めて手を合わせて供養をいたしましょう。
香華院では、8月13日(木)に本堂において、御盆供養会を行います。
同日中に、午前の部 11:00と午後の部 14:00の2回、法要をいたします。
塔婆供養も受け付けておりますので、ご参列希望の方は香華院管理事務所まで、お申し込み下さい。